手結山の週末住宅

敷地は国道55号線から海側に入ったひな壇状に造成された別荘地である。敷地に初めて訪れたとき、南斜面で海に向かった土地であるのに、計画敷地からほぼ海を臨むことができないことが分かった。ただ唯一、東側道路の木々の向こう側を除いては。

この唯一の風景を掴み取るため、建築は東西に伸びた平屋の棟と、南北に伸びた2階建ての棟が角度を持って組み合わされた構成とした。南面から若干の角度を振ることで、リビングからは常に海を臨むことができ、道路側の木々にも近づくことができた。

手結山の美しい風景を掴み取ったこの週末住宅で、クライアントは街中の生活とは違う長閑な時間を過ごしている。